【iPhone神アプリ】信長・秀吉・家康編(英傑の日本史)の評価・評判、口コミ
最強の戦国武将三人を読む! 大人気の英傑シリーズ!
戦国武将の中でも、とりわけファンの多い織田信長・豊臣秀吉・徳川家康をとりあげ、
日本の歴史を読み解いていく、刺激的歴史人物エッセイ。
―――――――
※本文抜粋※
◆織田信長
【天下取りを公言】
実は、これほどの有名人でありながら、信長ほど誤解されている人物も珍しいのだ。
まず手近な例を挙げると、多くの人々は戦国時代の主な武将、たとえば毛利元就、武田信玄、上杉謙信といった面々が、皆、天下を取ることを狙っていたように思っている。実はこれこそ大誤解なのだ。
むしろ「オレは天下を取るぞ」などと公言していた人物は信長しかいない。
厳密に言えば晩年の武田信玄はそうだったかもしれないが、それも信長という「若造」が先行したためであって、「アイツがやるならオレもできる」と考えたのが真相である。
信長の「奇跡の逆転劇」ともなった桶狭間の合戦も、あの時今川義元が上洛(京へ上る)するつもりだったというのは、現在は学界でも否定されている。
あれは織田家を滅ぼして領土である尾張国を奪うことだけが目的だった、というのだ。
最大の誤解は、とにかく兵を率いて京を制圧しさえすれば天下を取れると皆が思っていることだ。
仮にそうだとしても、実はそれはほとんどの大名にとって不可能なこと、なのである。
◆豊臣秀吉
【信長より長けていた2つの才】
秀吉は、信長のような創意工夫の天才、とはいえない。
しかし、信長よりも確実に上の才能がある。それは謀略の才と「人たらし」の才である。
実に多くの人々が勘違いをしているが、天正10年の「天王山の戦い」直後の情勢では、秀吉が天下を取るのは「不可能」と思われる要素が数多くあった。それを天才秀吉は克服しているのである。
では、当時の状況を現代風に再現してみよう。
ここに、新興空手の流派がある。「織田流」という。織田流は天才空手家の織田信長が一代で興した流派である。伝統を誇る武田流も上杉流も、片っぱしから叩きつぶした。そして本願寺流の大坂本部道場を奪い、武田流は秘技「三段撃ち」で壊滅させたが、高弟明智光秀の闇討ちにあって、信長は後継者の長男信忠と共に無惨な死を遂げた。
残念ながら次男信雄はまるで頼りにならないが三男信孝は少しはできる。それで、師範代羽柴秀吉が信孝の介添えとなり、遺恨試合で見事に光秀を倒した。
そしてその功を認める形で、門弟最古参の柴田勝家が「やっぱり跡目は信孝殿だな」と言った--。
ここから、秀吉は「引っくり返して」いるのである。信孝を殺せば秀吉が「光秀」になってしまう。にもかかわらず、秀吉はそれを実行した上に、ライバルを排除し、織田流を完全に乗っ取り、看板まで「豊臣流」にしてしまったのである。まさにマジックというしかない。
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※本書は角川学芸出版・平成21年3月25日発行「英傑の日本史 信長・秀吉・家康編」のiPhone/iPadアプリ版です。
戦国武将の中でも、とりわけファンの多い織田信長・豊臣秀吉・徳川家康をとりあげ、
日本の歴史を読み解いていく、刺激的歴史人物エッセイ。
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※本文抜粋※
◆織田信長
【天下取りを公言】
実は、これほどの有名人でありながら、信長ほど誤解されている人物も珍しいのだ。
まず手近な例を挙げると、多くの人々は戦国時代の主な武将、たとえば毛利元就、武田信玄、上杉謙信といった面々が、皆、天下を取ることを狙っていたように思っている。実はこれこそ大誤解なのだ。
むしろ「オレは天下を取るぞ」などと公言していた人物は信長しかいない。
厳密に言えば晩年の武田信玄はそうだったかもしれないが、それも信長という「若造」が先行したためであって、「アイツがやるならオレもできる」と考えたのが真相である。
信長の「奇跡の逆転劇」ともなった桶狭間の合戦も、あの時今川義元が上洛(京へ上る)するつもりだったというのは、現在は学界でも否定されている。
あれは織田家を滅ぼして領土である尾張国を奪うことだけが目的だった、というのだ。
最大の誤解は、とにかく兵を率いて京を制圧しさえすれば天下を取れると皆が思っていることだ。
仮にそうだとしても、実はそれはほとんどの大名にとって不可能なこと、なのである。
◆豊臣秀吉
【信長より長けていた2つの才】
秀吉は、信長のような創意工夫の天才、とはいえない。
しかし、信長よりも確実に上の才能がある。それは謀略の才と「人たらし」の才である。
実に多くの人々が勘違いをしているが、天正10年の「天王山の戦い」直後の情勢では、秀吉が天下を取るのは「不可能」と思われる要素が数多くあった。それを天才秀吉は克服しているのである。
では、当時の状況を現代風に再現してみよう。
ここに、新興空手の流派がある。「織田流」という。織田流は天才空手家の織田信長が一代で興した流派である。伝統を誇る武田流も上杉流も、片っぱしから叩きつぶした。そして本願寺流の大坂本部道場を奪い、武田流は秘技「三段撃ち」で壊滅させたが、高弟明智光秀の闇討ちにあって、信長は後継者の長男信忠と共に無惨な死を遂げた。
残念ながら次男信雄はまるで頼りにならないが三男信孝は少しはできる。それで、師範代羽柴秀吉が信孝の介添えとなり、遺恨試合で見事に光秀を倒した。
そしてその功を認める形で、門弟最古参の柴田勝家が「やっぱり跡目は信孝殿だな」と言った--。
ここから、秀吉は「引っくり返して」いるのである。信孝を殺せば秀吉が「光秀」になってしまう。にもかかわらず、秀吉はそれを実行した上に、ライバルを排除し、織田流を完全に乗っ取り、看板まで「豊臣流」にしてしまったのである。まさにマジックというしかない。
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※本書は角川学芸出版・平成21年3月25日発行「英傑の日本史 信長・秀吉・家康編」のiPhone/iPadアプリ版です。
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